第12回 なかのぶジャズフェスティバル 2018.3.18

 第12回なかのぶジャズフェス会場
 第12回なかのぶジャズフェス会場

 息子が友人から教わったという「なかのぶジャズフェスティバル」に出かけた。時間的に中途半端だったので熊谷駅中でおそばを食べた…通勤している頃には、よく利用していたが、久しぶりで美味しかった。

 「荏原中延」は初めてであるが、五反田から東急池上線で三駅であった…駅前の交番で「荏原文化センター」を確認し、商店街をぶらぶら歩いていった。少し寒かったのでコンビニで肉まんを仕入れ、肉まんの袋を通して伝わってくる温かさが食欲をそそるような天候であった… 

  第12回なかのぶジャズフェス
  第12回なかのぶジャズフェス

 会場はそれほど遠くなかったが、途中で今日の関係者らしき人が足早に追い抜いていった…この人と喫煙所でお話することになろうとは、この時点では思いもよらないことである。荏原文化センターは、ホールと図書館などが併設されており、ロビーには椅子とテーブルが備わりくつろげるスペースがあった。

 そこには開場を待つ人々が何人かいたが、そこの椅子に腰を下ろしお茶を飲みながら肉まんをほおばった。また、私にとって都合の良いことに、堂々と一服できる喫煙室もあったことだ…

 

 午後3時開場で夜8時くらいまで、3部構成のプログラムであった。

第1部 地元アマチュアバンドによる演奏 

  1.品川区立延山小学校 金管バンドクラブ

  2.まつビッグバンド featuring 岡崎 好朗

  3.五井功カルテット featuring 中村 誠一   

第2部 名曲集 あなたが選ぶ名曲ベスト10

    アンケートで選出されたトップ10をプロミュージシャンが演奏

第3部 なかのぶスプリングジャム

    プロミュージシャンによるスペシャルセッション

 

 小学生による「スイング・スイング・スイング」の演奏もたいしたもので、

50人もの子供たちはピカピカの管楽器を吹いていた…ホルンなどは持ち上げるがやっとの感じがした…我々が小学校の頃にはオルガンにタンバリンとカスタネットくらいしかなかったのに、その時代に比べたら信じ難い光景であった…

 アマチュアバンドも中々で、夜な夜なジャズバーでライブをやっているのではないかと思わせるほどの腕前であった…

森山威男 Drums

 1945年、山梨県勝沼市生まれ。東京芸術大学打楽器科卒業。在学中より《山下洋輔トリオ》に在籍、以降トップドラマーとして国内外の最前線で活躍。第56回 文化庁芸術祭レコード部門優秀賞等受賞歴多数。

 毎年岐阜県可児市と「森山威男ジャズナイト」を開催し、地元の文化活動へも貢献。

 最新作はDVD『楽しくなけりゃ意味ないね』、CD 「STRAIGHTEDGE」。

 上の記事はプログラムのないようであるが、森山さんは古くから「なかのぶジャズフェス」に関わってこられたようです。

 左から森山氏、石若氏、小山氏
 左から森山氏、石若氏、小山氏

 そして第3部のジャムセッションでの小山太郎氏と石若駿氏と三人でのドラム合戦は見物であった…

 森山さんが、けしかけるようにドラムを叩くと、それを受けて若手ドラマーも負けずと叩き返す…そして次の若手ドラマーも自分の技を繰り出してくる…このバトルが暫く続くと会場全体が、その興奮に巻き込まれ、どよめき大きな拍手が湧き起こった…

左から石若駿、森山威男、小山太郎
左から石若駿、森山威男、小山太郎

 私は少年時代に胸をときめかせながら観た映画・石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」のドラム合戦のシーンを思い浮かべていた。

 こうして森山さんは、若手ドラマーに一歩も引かない迫力のあるドラミングを見せてくれた。戦いを終えた三人のドラマーの笑顔は好いですね…しかも、若手の石若さんも小山さんも大御所・森山さんをリスペクトし、労わっている様子がこの写真からも窺えるのは気持ちいいですね… 

峰厚介 Tenor Saxophone

1944年、東京生まれ。69年に菊池雅章バンドでデビュー。以来Mal Waldron, Gil Evansオーケストラなど世界的ミュージシャンの日本公演に参加。本多竹廣と結成した《ネイティブ·サン》はジャズ·フュージョン界の金字塔。CD『Major to Minor』では「ジャズ·ディスク大賞日本ジャズ賞」を受賞。現在も国内外の前線で活躍中。

 上記事はプログラム内容。ハンチングは峰厚介さんのトレードマークとも言えるが、熊谷のSPACE1497の峰厚介カルテッドでは黒の中折れ帽であった…

今晩も峰厚介さん特有の重厚はサックスの響きを開場中に響かせていた…

鈴木勲 Bass

 1933年東京生まれ。1970年アートブレイキーに見出されてNYへ単身渡米、ジャズメッセンジャーズの一員として世界各地で活躍。セロニアス·モンク、チャールズ·ミンガス等レジェンドとの共演歴多数。

 日本ジャズ賞受賞の『BLOW UP』『陽光』をはじめ50枚以上のアルバムをリリース2009年南里文雄賞受賞° Radio Jazz Internationalの世界のジャズミュージシャン20傑で「JAZZ GOD FATHER」の称号を得る。現在も、《鈴木勲OMA SOUND》は若手の登竜門である。

上記事はプログラムに同じ。

左から高橋ゲタ夫、鈴木勲、井上陽介
左から高橋ゲタ夫、鈴木勲、井上陽介

 鈴木勲さんには横浜ジャズフェスで強烈な印象を植え付けられた…

 何しろ、ハンドバッグを持った女装の老人がステージ登場したときは、場所を間違えて紛れ込んだのではないかとハラハラしながら見ていたのを覚えている…

 しかし、一旦ベースを抱えるとそれはもう一流のベーシストなのであった…

 女装の鈴木さんは、業界の名物であるだけでなく、大いなる人気者でもあるようだ…

 兎角、女装の鈴木さんがステージ登場し動き回ると観客の目を引くので、本日のMCまきいわさんも何回も鈴木さんに声を掛け、お客さんの笑いをとっていた。おそらく鈴木さんのステージを観た人は、印象深く忘れ難いものになるでしょう…

土岐英史 Alto Saxophone

 1950年、神戸生まれ。大阪音楽大学サックス科卒業。16歳でプロデビュー。阪口新に師事。1974年土岐英史カルテットにて第一回新宿ジャズ賞受賞.1975年ファーストアルバム『TOKI』以降、最新アルバムNIGHT CRUISE/TOKI&CRUISUNG』まで通算2 5枚目のアルバムを、バンド「CHICKEN SHACK」では約10枚のアルバムをそれぞれリリース。松岡直也&ウィシングでの海外フェスティバル等への出演やL.A.「AT MY PLACE」結成など、国内·海外外問わず数多くの活動を行なう。

 現在は、土岐英史クインテット、CHICKEN SHACK TOKI&CRUISUNG、6/6、などで活躍中。大阪音楽大学客員教授。

 上記事はプログラムに同じ。土岐英史さんとはの3月10日に蕨Our Delightの土岐英史クインテッドでお会いしたばかりである。今晩は土岐英史さんリーダーのバンド編成で何曲も聴かせてもらって気持ち良かった…

また、いつか「土岐一族の末裔」のお話を聞いてみたいものです… 

増尾好秋 Guitar

 早大モダンジャズ研究会在籍中に渡辺貞夫グループでプロ入り。1971年渡米、ソニーロリンズのバンドに通算6年間在籍するほか、リー·コニッツ、エルビン·ジョーンズなどと共演し「世界のマスオ」として活躍,85年よりニューヨークにスタジオを所有しプロデューサーとしても活躍。同年設立の自主レーベルSunshine Ave, Labelから『Life is Good』、『I'm Glad There Is You」を発表。2016年からは自己のバンドMAGATAMA、そのほか多様なメンバー編成で活動中。アメリカに拠点を置きながら日本でも精力的に演奏している。

 上記事はプログラムに同じ。

増尾好秋さんとも昨年の12月9日に蕨のOur Delightの増尾好秋トリオのライブしている。この時は、宮川純さんのハモンドオルガンの演奏と奥平真吾さんのドラムの演奏を聴いた…あの時は、暮れにアメリカに帰ると言っていた。

 また、昨年11月18日に増尾さんは鈴木良雄さんの旧友で前橋のGface Cafeで二人のデュオ「Old Pal」ライブを聴いた…

 互いにリスペクトし合い、息のあったライブを堪能できた…

 今回は、増尾さんがリーダーのバンドで何曲も素敵なハーモニーを聴かせてもらい、感謝・感謝であった。

市原ひかり Trumpet

 東京都出身,洗足学園音楽大学卒業。アルバム『Sara Smile』と『スターダスト』でスイングジャーナル誌ゴールド·ディスクを連続受賞、以降8枚のアルバムをリリース本格的かつ女性ならではの感性をそなえたプレイで、, 08年以降、同誌読者人気投票トランペット部門で2位。現在は自己のバンドをはじめ、土岐英史ほか多くのバンドや、山下達郎などの録音でも活躍している。

 上記事はプログラムでの紹介内容であるが、二部ではプロがリクエストベスト10の曲を演奏して、入れ替わり立ち代わりメンバーがそれぞれバンドとして名曲を演奏してくれた。なかでもラウンド・ミッドナイトは、市原ひかりさんのトランペットがとても素晴らしかった…

 この1曲は、私の心に沁み通り「ラウンド・ミッドナイト」を聴いただけで中延まで来た甲斐があったと思った…

キャロル山崎 vocal

 東京都出身、日米のハーフ。モデルとして活躍後、TVドラマの主題歌で歌手デュー。

 その後ジャズに魅せられ、沢田靖司氏に師事、ハーレムへ武者修行。湘南ビーチFMでは長年ジャズ番組を持つ。月一の生放送ライブで多くの一流ミュージシャンと共演。

 スターシンガーとして輝きをましている。1993年、日本ジャズヴォーカル賞新人賞を受賞。2011年、同大賞を受賞。CD代表作『ドリーム』(前田憲男サウンドプロデュース)『Yesterday when I was Young~帰りこぬ青春』(イタリアローマ録音)

 上記事はプログラムに同じ。キャロルさんはハーフということもあり、英語の発音は母国語と同様で、綺麗なジャズをうっとりと聴かせていただいた…

M C :まきいわ·まさお  Presenter

Pop's番組DJをスタートにニッポン放送番組内「DJコンテスト」で準優勝獲得。80年よりNHK-FM「セッション」、NHK「FMライヴ·スペシャル」を経てジャズMCへ転身。

 H·ハンコック、w·ショーター、L·コリエル、B·ウィリアムスらの来日ツアーや現在まで全国主要ジャズフェスティバルで巧みな正統派MC進行演出スタイルを確立。

 定評があり信頼を得ている。

 上記事はプログラム内容と同じだが、何故か、この方とはご縁があった…

 まず、会場への道すがら息子と私を追い越していった方で、開場前に喫煙室でお見かけし一言二言話したのが始まりであった…

 第1部が終わって喫煙室に行くと「モクモク・タイムだ」と言いながらやって来た…二人で色々と話している内に、上野ジャズフェスでのMCさんだったことが判り、その時のMCさんの語り口調を思い出し、私も参加していたことを告げると途端に話が弾んだ…

 峰厚介さんが熊谷のSPACE1497に来てくれた話や、蕨のOur Delightまで土岐英史クインテッドや増尾好秋トリオのライブを観て、今回も熊谷からやって来たと話すと、ジャズライブのMCとして大層喜んで、「この話を今日使わせてもらおうかな…」と言った…こうして話が長くなり、席に戻った時は演奏が始まっていた…

 第2部の「あなたが選ぶベスト10」は忙しく演奏メンバーの入れ替りがあり、スケジュールを消化するのは大変そうであった…そんなことで「熊谷からやって来たジャズ好きの親子」の話はMC・まきいわさんから紹介されることなかったが、第2部終了後の「モグモグ・タイム」で「峰さんと土岐さんに話しておきましたよ」と言ってくれたので、何だか嬉しくなった…

  こんな風にして人と人の繋がりが出来て行くのもライブに出かける楽しみの一つだと私は思っている…

第3三部では、それぞれのメンバーが、入れ替わり立ち代わりオンパレードで得意曲を持ち寄り、それぞれ演奏してくれた…

  誰と誰がどの曲を演奏するかも見どころで、全てを覚えていられないくらいの盛りだくさんの内容だった。

 市原ひかりさんのイン・ア・センチメンタル・ムードは、リーダーとして三管のアンサンブルが、見事だった。

 久しぶりにドップリ一日ジャズを聴き堪能させていただき、大満足であった。

 開演は3時30分から始まり、休憩時間もあったが、終演は8時に終了でした。

 今日の満足感は総勢18名ものジャズミュジシャンが一同に会してくれた総力のたまものなのに、これまでライブでお目にかかったミュージシャンを中心のブログになってしまった…特に印象深かったのは、高橋ゲタ夫さんのベースの多様さだった。それに加えてキャロル山崎さんと彼のデュエットは、好い雰囲気だった…機会があれば、また高橋ゲタ夫さんのライブに行ってみたいと思ったジャズマンの一人であると記しておきたい…