箭弓稲荷の藤と牡丹

 今年も藤と牡丹の咲く頃を見計らって箭弓稲荷にやってきた。昨年は社殿の修復のためにブルーシートに覆われていた社殿が全容を見せてくれた。その社殿の前で写真を撮ろうとしていたら『シャッターを押しましょう』と声をかけてくれた方は、地元東松山市のボランティア・ガイドさんだった。

 『当神社のご創建は、和銅五年(712年)と伝へられ、規模の大きさ、ご社殿の荘厳さとご霊験のあらたかさで、大勢の方々の信仰を集めています。箭弓稲荷は京都の伏見稲荷のに次いで建立されたが、現在の社殿は江戸時代の物だ。』と説明してくれた。それから、ガイドさんに30分ほど案内してもらった。


 いつもは花を観るだけで帰ってしまっていたが、今日はガイドさんから説明を聞いて、箭弓稲荷の見所を再発見できた・・・

特に彫刻に刻み込まれた物語は、興味深かったが、これらの貴重な彫刻作品が外廊下に雨ざらしのままに展示(建立されたまま)されているのが気にかかるとガイドさんに伝えた。上の写真のように軒下の彫刻も年代ものである。


『 社記によると、遡ること七代目市川團十郎は特に厚く当社を崇敬しており、社に籠り芸道精進、大願成就のご祈願をいたし、その当時、江戸の柳盛座の新春歌舞伎興行において「狐忠信」「葛の葉」等の芸題を披露しましたところ毎日札止めの大盛況となりました。』とあり、芸能上達の神として祈願する芸能人も多いそうであるが、箭弓稲荷を野球稲荷と読み替えて、野球の上達を祈願する方の方が増えているようです。願いを書き記した『絵馬』の形はホームベースになっていたり、バットの形の絵馬まで奉納されていた。