第37回 埼玉俳句大会 於:熊谷文化センター
俳句大会で金子兜太の講演もあるというチラシを妻が見せてくれたので、私も2句応募した。熊谷文化センターは荒川土手の桜並木の下を通り1k程の所にある市立図書館に併設されたホールである。暑い昼下がりであったが、自転車を漕ぎ桜並木の木陰の下を通って出かけた。その木陰をでると強い太陽光と舗装道路からの照り返しで、頭がクラクラするほどであった。
俳人金子兜太の講演を聴きいた。
兜太は東大から主計局に受かり、南方勤務を志願してトラック島に赴任した時には、既に米軍の攻撃を受けて全滅状態だったそうです。制空権を失い、海上からの補給路も絶たれて武器弾薬、食料補給もなくなり島を開墾して“さつまいも”を育てて食べたそうです・・・
上官に『この戦争は負けるから、せめて句会でも開いて慰めてやれ。』と言われ3ヶ月程の間、句会を開いていたそうだ。
現在、95歳の兜太翁は、戦争反対を訴えてい行く事が私の使命だと講演の冒頭に声高に語った・・・
<兜太:9条の句会⇒平和の句会> を創設。
これに刺激されて、下手な歌を詠んだ。
・九条を犯す安保は許すまじとふ兜太が杖に信念宿せり
・兜太翁の俳句に生きて悔いなしとふチンコ・チンボ-・マラに牛萎へ
・自衛権の審議空転の議事堂へ若者増やしデモ隊進む
・安保法の強行採決阻まむと若者叫ぶデモ隊の行く
・安保法の強行採決の批判をかわす競技場の見直し宣言
・向かふ先に危機のみなぎる情勢にデモに行きたや吾若かりせば
渡部さんが7月19日の朝日新聞の記事をコピーして送ってくれた。国会前、京都、福岡の各地で多くの人々が、『アベ政治を許さない』と兜太の書いたプラカードを掲げるデモの写真も掲載されていた。
兜太は「交流のある沢地さんからの依頼なので喜んで書いた。沢地さんからは責任の所在をはっきりさせるため『アベ政治を許さない』でいきたいと話があり、私も賛同した」と話す。
多数の国民の反対にもかかわらず法案は16日、与党が採決を強行し衆院を通過した。「安倍首相は安保法案を成立させて実績をつくり、憲法改正の下地をつくる考えなのだろう」と兜太は語り、 「だまされてはいけない。私たちは安倍政権の実体を見極め、何としても憲法9条を守らなければならない」と力を込めた。(埼玉新聞7月17日)
私は、渡部さんが送ってくれた記事を読み「・・・吾若かりせば」などと呑気なことを言っては居られないと作った短歌を訂正した。
・向かふ先に危機のみなぎる情勢にデモに行きたや吾若かりせば
⇒・向かふ先に危機のみなぎる情勢にデモにぞ行かむ男孫のために
今回の『集団的自衛権』の中には、将来に向けて色んな国際的な制約は出てくるものと思われる。現在、少子化が進む中、同盟国との軍事力のバランスを維持するために近い将来徴兵制を施行せざるを得ない状況が出てくるかも知れない・・・今はただ母乳を貪っている乳児たちが、徴兵検査を受けることになるのだ。その頃には、自分は別の世界にいるから、知るもんかとたかをくくっていていいものだろうか・・・
このメールを同期のグループメールで発信すると、飛世さんから私の短歌をフェースブックで共有しますとの返信と与謝野晶子の「君死にたもうことなかれ」の詩が送られてきた・・・
飛世さん、『君死にたまもうことなかれ』を改めて読みました・・・日露戦争の最中、明治天皇に忠誠を誓う乃木大将が自分の息子を三人戦死させて攻略した二百三高地の話は、余りにも美談として語られた時代に、与謝野晶子は『君死にたもうことなかれ』を発表したのです。真向からの体制批判と思える詩が、よくぞ発禁にならなかったものですね・・・
君死にたもうことなかれ
すめらみことは 戦いに
おおみずからは出でまさね
かたみに人の血を流し
獣(けもの)の道に死ねよとは
死ぬるを人のほまれとは
大みこころの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されん
でも、私が切なく思うのは
暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にいづま)を
君わするるや 思えるや
十月(とつき)も添(そ)わでわかれたる
少女(おとめ)ごころを思いみよ
この世ひとりの君ならで
ああまた誰をたのむべき
君死にたもうことなかれ
の最後の節ですね・・・
古稀を過ぎても、まだ若い気でいるせいでしょうか・・・
さて、同期の仲間よ、それぞれ主義主張は異なって当然でしょうが、どうか“戦争反対”の声だけは声高々と叫びましょうよ・・・同意の方、恥ずかしがらずに“賛成/異議”のメールを発信してください。
発起人の飛世さんと共にお願いします。
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