バイソン片山トリオ SPACE1497 2018.2.3

 バイソン氏のLPレコードの贈物
 バイソン氏のLPレコードの贈物

 2月3日は息子の誕生日ではあったが、一昨日に作ったカレーライスで簡単な夕食を済ませた…でも、火を入れ可愛がっておいたお陰で、味はとてもとても良かったので、カレーにはうるさい彼にも満足してもらえた…

 それにも増してりジャズが好きな彼と急いで会場に向かった。ところがバイソンさんは、まだ開場に姿はなかった…オーナーと挨拶を交わし、最前列のいつもの指定席についた。

 暫くして、少し慌ててバイソンさんが入って来て、開口一番に「約束していたLPのアルバムを持って来たよ。」と言った。そしてドラム・セットを組み立てながら、自宅三階のレッスンルームに6枚残っていたので持って来たと…自宅屋根裏に自力で三階の部屋を作ったそうですが、ドラムだけでなく釘を打つ腕前も優れているようです…

 息子はバイソンさんから手渡されたLPを大事そうに眺めていた…最近はレーコードプレイヤーを使っていないので、埃を拭い、綺麗に掃除しないと…

ナーシーさんの新ベースの音合わせ
ナーシーさんの新ベースの音合わせ

ナッシーさんも更に暫く遅れてやって来たが、今回新しいベースを持ってきたと話していた。

 これまでもものより7、8センチ大きいと話しながら、小池さんのピアノに合わせて弦を調節し、弓で一弾きしてから「ここは音響が好い」と呟いて、吹き抜けになっている天井を見渡していた…

 素人の私には判りませんが、かなり高価なベースらしく、小池さんとの会話の内容からそのことが伺えた。ナッシーさんも初めてのベースで演奏するのを楽しみにやってきたのだろう。でも、今晩は中々お客さんがやって来ない…

 2月3日は節分なので、家族で厄払いの豆まきでもしているのだろうか…

小池さんのピアノでベースの調律
小池さんのピアノでベースの調律

 息子は節分の日が誕生日なので、息子にとっては「バースデーライブ」となった。

彼はリクエスト曲のメモを小池さんに渡しながら「誕生日」であることを伝えると、それを聞いていたオーナーが、息子の所へスイーツを運んできてくれた…

 そしてバイソンさんの紹介とともにバースデーソングが演奏され、息子は大満足だ。

 更に、彼がリクエストした曲が次々と演奏され、正に「バースデーライブ」のようであった…何しろ、お客さんは我々を含めて6名だったので、他にリクエストする人もなく彼の好きな曲を存分に聴くことができた。

 するとバイソンさんは、今日はミューチシャン(身内シャン)ばかりだからジャムセッションをしようと言い出した…

 バイソンさんからドラムを教わっている人が三人いたのだ。

 いつも「SPACE1497」でお手伝いをしているKさんがジャズシンガーだったとは知らなかった…

 生バンドをバックにマイクを握ると、堂々としたステージだった。まさか、こんなに上手いとは…お見それしました。

 1曲しか聴けなかったのが残念。

 続いてドラマーSさんがスティックを握った…彼も、最初は緊張気味であったが、次第に肩がほぐれてくると乗ってきた…

 そしてピアノとベースに気配りしながらもついには目お瞑り、気持ち良さそうにドラムを叩いていた。こうして初めての演奏でも楽器で言葉を交わせるのはジャズですよね…

 彼女とはこれまでのバイソンさんのライブで何度かご一緒したことがある。彼女はいつも三脚にビデオをセットし録画していた…

彼女はバイソンさんからドラムを教わっていると聞いたことがあるので、今日はその成果を聴かせてもらうことができると待った…

 だが、今日はかなり緊張していて、普段の力を発揮できなかったようであった…

 バイソンさんがカイト君にスティックの握り方や降り降ろし方を指導しているのを見かけたのは、昨年の初夏のころだったろうか。

 カイト君が演奏曲をリクエストしたら、それは通らず違う曲目になった…

 カイト君も練習を重ねレパートリーを増やしてきているようであった。その内にメンバーの一人として演奏するステージを観ることができるかも知れない。

 カイト君も随分と腕をあげたようで、私の横で聞いていたバイソンさんもニンマリしていたが、それでも演奏が終わると何やらアドバイスしていた…

 私もこんなジャムセッションを体感したのは初めてである…加わった出演者はみなアマチュアではあったが、その雰囲気は上々でジャズの楽しさを味わせてもらった。

 そんな訳でバイソンさんのトークも少なかったが、来週には小池さんがニューヨークに行くと教えてくれた。丁度大雪の予報がでていたころだったので「ニューヨークで大雪に遭わなければ良いが…」と小池さんが心配そうに付け加えた。そう言って演奏を始めた「スケ―ティング・イン・セントラル・パーク」のピアノの音色は、いつもより弾んでいるように感じられた…

 ナッシーさんは、いつもワイシャツにジャケットで演奏するのだが、今日はセーターに帽子だった…帽子が良く似合うと話しかけると、彼も帽子がよほど気に入っているらしく何処で見つけたとか得意げに話してくれた。

 彼はすっかり日本語が上手になり、少し間を置くくらいで会話に不自由は感じないし、発想の異なる彼特有のジョークも楽しいものです…

 バイソンさんが、いつものご婦人のグループは来ていないねとオーナーに尋ねていた。

たいてい4,5人で隣のテーブルに陣取り、ワインを呑みながらお喋りしているので少し煩いと思っていたが、今夜は寂しい気がした。

 今晩は6人のお客さんだけで、ファミリアな雰囲気を存分に満喫できたが、常連さんが来てなかったので、どうもバイソンさんは寂しげであった… 

 それでも皆でアンコールをすると、暫く躊躇っていたが、一人黙ってドラムを叩きはじめた…それから暫くして、小池さんがピアノに向かい、メロディラインを弾き始めた…

 そしてナッシーさんのベースが加わった…最初は何を演奏しているのかわからなかったが、トリオで奏でるのはジャズの名曲「キャラバン」であった… 私の大好きなジャズの一曲であったこともあるが、そのプロセスが、何ともジャズっぽく、胸にジーンとくるのを感じた…

 今夜もビールの小瓶にジャクダニエルのダブルを二杯を呑み、ご機嫌であるが、それにも増して息子は自分のリクエスト曲の殆どを演奏してもらい大喜びであった…今日は最高の誕生日プレゼントができた。

 二人共、まだ興奮の冷め遣らぬままに車に乗り込み、小雨降る中を帰路に着いた…

 息子のお気に入りの曲だということで、ナーシーさんの楽譜を撮らせてもらった…

その訳は、後で聞いてみることにする。