卒後50周年記念同期会ー2 2018.9.3

高松の池散策とレストラン賢治

     <ホテル愛眞館の紋章>
     <ホテル愛眞館の紋章>

同期会の朝はいつも小倉さんの号令で始まる…今朝も『玄関に7時集合し写真を撮ります、遅れないようにしてください。』と各部屋を廻って案内してくれた…

私は、朝起きてすぐに風呂へ行き、備えたが、それにしても少し早やい時間だなあと思っていた…

 当初、緒方さんと蛯沢さんが早朝に青森のゴルフ場へ出発する予定になっていたので、早い時間に集合写真を撮るための段取りかと思っていた…

 でも、緒方さんは数日前に体調を壊されて参加できなくなったので、その必然性はなくなったはずだがと思いながらホテルの玄関にでた…

昨夜遅くまで盛り上がり、みなさんも寝不足のせいか、やはり出足は遅かった…ホテル入口の足湯の椅子で一服しながら待った…

 柏葉先生や久保田先生もまだ朝食中だったらしいが、箸を止めて駆けつけてくださった… そして例年の如く橋本さんの指示に従って、今年も記録を残すことができた…

 <小安峡温泉の噴湯(カラフケ)>
 <小安峡温泉の噴湯(カラフケ)>

集合写真を撮り終えて部屋に戻ると浜島さんと女鹿さんがやって来た…

実は、9月1日の朝突然に女鹿さんから電話が入って『今、浜島が来ていて今晩は湯沢市のホテルに泊まる予定だが、食事できるお店がないか…』と言うのです。私はとっさに以前何度か行ったことのある『いなほ』という高校の後輩がやっているお店を紹介した…

 それからふと考えた…湯沢市で泊まるより、小安峡温泉にでも泊まり、のんびり温泉にで浸かって翌日に小安峡の噴湯とか栗駒、須川湖、泥湯温泉、河原ゲ地獄谷など見て廻ればと思い、この間(8月11日)泊まった『湯本 くらぶ』の空室をネットで調べた…ところが評判が好いと聞いていた通り満室であった…この他にも探してみたが、やはり当日の宿泊は無理であった…

  その夜7時頃だったと思うが、女鹿さんから電話が入り『今、いなほに来ていると…』というので主人に変ってもらい、宜しく頼むとお願いした…

 <小安峡温泉の噴湯から見上げた天空の橋>
 <小安峡温泉の噴湯から見上げた天空の橋>

女鹿さんに小安峡界隈の観光コースの話をすると、私が考えたコースは1日に全て見てまわって来たと言っていた…流石、女鹿さんだ…

更に河原ゲの奥の滝の湯まで足を延ばしたが、前日の雨で温くて入れなかったと言っていた…いつもながら、旅慣れた女鹿さんの行動範囲の広さには感心させられる。

それから紹介した『いなほ』のことを訊ねると、最初は中々見つからず苦労したとのこだが、何とか満足してくれたようでほっとしたが、『小南、暫く”いなほ”には行かない方がいいぞ…』と女鹿さん流のジョークが飛んできた…ただ、その意味する所は理解し難いものとして残った。

 『月初の月曜日には朝会があるので…』と言って女鹿さんは家に向かった。

 

部屋を出る時に大きなゴミ(アルミ缶)袋を抱えた飛世さんとエレベーターに乗った…飛世さんが鈴木さんの車の方へ行ったので、一緒には無理だと思い金井さんと私は篠原さんの車に乗せてもらった…後で聞いてみるとゴミ袋の始末は佐々木さんにお願いしたと言っていた…

 車の中で篠原さんが語る街道踏破のコツは、極めて合理的でなるほどなるほどと納得しながら、高松の池に向かった… やはり、時々奥さんも行って見たくなるような名所旧跡をコースに設定することも長く続けるツボなのかとも思った…

 高松の池の畔の立て看板を熱心に読む人
 高松の池の畔の立て看板を熱心に読む人

高松の池について、みなさんの到着を待っていると車で来た浜島さんが一人でやってきた…

旅好きの篠原さんは好奇心が旺盛とみえて、高松の池の畔に立っていた案内板を熱心に読んでいた…

私も近づいて見ると、あの壬生義士伝の吉村貫一郎と高松の池との所縁が書かれていた…

 高松の池『壬生技士伝』の立て札
 高松の池『壬生技士伝』の立て札

< 壬生義士伝 >

壬生義士伝は浅田次郎氏(直木賞作家)の歴史小説。

南部盛岡藩士・吉村貫一郎が、家族のために新選組に入隊、愛と義を貫いた感動の作品で、平成十四年と十五年と相次いで、テレビ化・映画化され人気を博した。

私は中井貴一主演の映画と渡辺謙主演のテレビを観たが、渡辺謙が熱演した年末の長篇テレビドラマの『壬生義士伝』の方が印象深かった。

 高松の池『壬生義士伝』所縁の池
 高松の池『壬生義士伝』所縁の池

上田堤(高松の池)

上田堤(現在の名称は高松の池)は盛岡の治水のために江戸時代初期に造られた堤。

吉村貫一郎は近くの上田組町に住居しており、二番目の子を宿した妻しつは、先の生活を悩み身投げしようとす。

『日本さくら百選』に名を連ねるとともに、冬は白鳥の飛来地として親しまれている。

今日は天気も良く風もなかったので、高松の池の湖面は鏡のように湖畔の緑を写しだしていた…

学生時代の池の畔には草が生い茂り池の周りを廻ったことなどなかった…その頃を思うと写真のように整備された遊歩道など信じ難いことである…

  森崎さんの後ろの高橋さんがたばこを…
  森崎さんの後ろの高橋さんがたばこを…

 ホテルのバスは新幹線で帰る人を駅に送ってからやってきた…

高橋さんが近寄ってきて『たばこが切れたので一本ちょうだい。』と言うので極めて薄いKENT-1を差し出すと、少し物足りなさそうに吸っていた…この一本の煙草が高橋さんに大切なことを思い出させてくれることになるとは…

             <高松の池の散策メンバー>
             <高松の池の散策メンバー>
 武田さん、鈴木さん、飛世さん、橋本さん
 武田さん、鈴木さん、飛世さん、橋本さん

 みんなが歩き始めると笹川さんが『昔から高松の池は一周4キロと言われているが…』と時間がかかることを示唆しが、誰も歩を止める者はいなかった…

 のんびり写真を撮りながら歩いていたので、私が最後尾かと思っていたら、写真の4人が後からやってきた…私はその場で暫く待っていたら、準備することがあると言って、先に『レストラン賢治』へと引き返して行った…私も戻ろかと迷ったが、かなり遅れて先行の仲間を追った…

 この平和祈念像「望み」の処でやっとみんなに追いついた…この像のサブタイトルとして「核兵器のない世界をめざし、不戦を誓う」が掲げられていた…

 ほっと一息して一服しながら像の写真を撮っている間にみんなは、また歩き出した…森崎さんが一服に付き合ってくれたが、結局また最後尾を歩いて行った…

 昔、学内の部活動を新入生に紹介するための『学友会会報』編集の打合せを行った喫茶店はどの辺だったかなあ…当時としては稀だった獣医学部の女子大生との打ち合わせにドキドキしながら、同袍寮から歩いて来たことなどを思い出していた…

その時、秋田りんごを持参し一緒に食べたような気がする…それから冬休み明に籾殻に入った青森りんごが1箱、彼女から同袍寮46室に届いた…しかし、本当のお目当ては学友会の会長をやっていた先輩であったと、就職してから知ることになった…

 暫く歩いて行くと『地域活動支援センター 風の又三郎』の看板が目にとまった…ここにも宮沢賢治が活きているのかと思った…右側のドアには『ホタルの里』とあったので様子を伺うと障害者支援施設のようであった…

 駐車場に着いて見ると、篠原さんは 車で別行動となり、金井さんは私のバックを持って「レストラン賢治」に向かって歩き出していた…

 丁度そこへ小倉さんからの呼び出しに応えて、宮手さんが車でやって来たので、乗せてもらった…

先行のみんなに追いつけると思っていたが、一方通行等の制約があり、最後までバックを持ってもらうことになってしまった…交代で持ってくれた人にも申し訳ないことをしてしまった…

 岩手大学 学生食堂隣の「レストラン賢治」
 岩手大学 学生食堂隣の「レストラン賢治」

2017年3月にできたという「レストラン賢治」は岩手大学図書館の隣、中央学生食堂と同じ建屋の2階にあった。多分50年前は農学部の田んぼだった辺りにできたと思われるこの図書館の前には、校歌に唄われている「上田の鐘」がある。この鐘は賢治がいる頃には、牧舎の羊を集めるのに使われていたとか…

    「レストラン賢治」の入口
    「レストラン賢治」の入口

今日は、この「レストラン賢治」で「注文の多い弁当」をみんなで食べることになっている…私は、9月1日の熊谷の「賢治と歩む会」でこのことを自慢げに話してしまったので、その弁当の写真を撮りレポートする必要があった…そのための写真をとりながら2階に上ると、段取りのために、高松の池の散策から途中で引き返した飛世さん、武田さん、鈴木さんが座っていた…

『注文の多い弁当』は予約分しか提供できないと聞いていたので、その最終確認などをやってくれたのだろう…

 私は昨日いただいた『本統の賢治と本当の露』にサインを頼んだら、鈴木さんは照れ臭そうにしながらも筆を取ってくれた…

 そこへ少し慌てた様子で高橋さんがやって来た。『さっき煙草を買おうとしてポケットに手を入れたら、お金がない!!ホテルに忘れきたようだ!!!』と言うのだ。飛世さんが切符はあるかと尋ねると、それも一緒だという…お札と切符を重ねて金庫に仕舞い、朝そのまま取り忘れ来てしまったのだった…

 すると鈴木さんはすぐさま筆を止め、ホテルのフロントに電話をかけて部屋の金庫を確認してもらった…

暫くの間沈黙が続いた…そして鈴木さんが『ありましたか…』と大きな声を上げた…そこに居た一同は顔を見合わせながら、安堵のため息を漏らした…良かった、良かったと…

佐々木さんは、高橋さんに電話を代り金額を確認してもらった。間違いなかった…すかさず飛世さんがホテルへのシャトル・バスの時刻表の確認を始めていた…それに気づいた私は、窓から外を覗き宮手さんの居場所を探すと、みんなと談笑しているのが見えた…

私は直ぐに階段を降りて行き、宮手さんにお願いごとがあると言って、入口のところまで連れ出した。それから訳を話し、高橋さんをホテルまで車で連れて行って欲しいと頼んだ…宮手さんが快諾してくれたので一緒に階段を登った…

あの気丈な高橋さんも困ってしまったという様子だったが、それを聞いてほっとして、やっと笑みを浮かべた…

 そこに居た一同も安堵した…今日は柏葉先生も昼食をご一緒してくださることになっていたので、ホテルへ行くのは昼食後にお願いすることになった。

(つづく)

 

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コメント: 1
  • #1

    飛世政和 (土曜日, 06 10月 2018 03:58)

    『本統の賢治と本当の露』にサイン会の収益金は 会費の中に 繰り入れさせて頂きました 宮手さんは 今回欠席でしたが 小倉さんの呼びかけで 快くこの 昼食会に 急遽参加いただけ総勢19名 20名の注文の多いお弁当の予約 余った 一個は お店のお姉さまに 食していただけ 安堵した昼食会でした。