また蕨の「Our Delight」へやって来た…今晩は息子の友人から教わった餃子の美味しいというラーメン屋へ行った。
私は大好きな味噌ラーメンと餃子を頼み、生ビールを呑みながら待った…まずは、餃子の焼きあがるの待っていたが、意に反して味噌ラーメンの方が先に上がった。どうも餃子の人気が高く、キャリーアウトのお客さんも多くて、餃子は順番待ちだったようだ…
それだけに、ふっくらと焼きあがった餃子は、少し大きめで美味しかった。同様に味噌ラーメンもボリューム満点でお腹を満たしてくれた…
開場少し前に着き「Our Delight」のベランダで一服していると、普通のおじさんがやって来て「お待たせしてすみませんね。」というので、お店の方かなと思い世間話をしたが、ライブが始まってみると何とサックスの大御所・土岐英史さんだったのです…
その土岐さんのサックスの第一章節の響きに圧倒され、背筋にゾクゾクっと悪寒が走るのを覚えた…
何んなんだろ、この人のサックスの音色は…けっしって派手な音色ではないし…
何か日本人の心の奥底に先天的に潜む「侘び寂び」への郷愁をくすぐるのであろうか…西洋楽器なのに倭の響きを感じさせてくれるような、不思議な感覚に陥った…
今晩のセットリストは、次のような曲目であった。
1.C minor
2.Lady traveller
3.The Right time
4.8.4.5
7.MA-TA-NE!
8.Lonesome lover
後で聞いてみると、息子も背筋にゾクゾクっと来たと同じ感覚だったようだ。
この雰囲気を味わうには「IN A SENTIMENTAL MOOD HIDEFUMI TOKI」というアルバムがお勧めだと思う。是非、聴いてみてください…
市原ひかりさんのトランペットは、昨年の8月5日の上野ジャズ・フェスで聴いた事がある。上野・池の端の野外公会堂は蒸し暑い最中であったが、小柄な市原さんがあんなにも力強く吹きまくるトランペットの響きにノックダウンされたのを覚えている…
今晩の市原ひかりさんのトランペットは、サックスの土岐さんをリスペクトしながら、コンビネーションは絶妙で、見ている方もすがすしい気持ちなった…
今日はフルーゲルフォンとを使い分けて、シックな音色も届けてくれたので楽しかった。演奏後に話してみると気さくで親しみやすい人でした…
昨年の6月17日に五反田の洗足学園「Do Jazz Senzoku」で片倉真由子さんのピアノでセロニアス・モンクの曲を聴いたことがある。あの時は「セロニアス・モンク生誕100周年」を記念してのプログラム構成だった。
今日は身近に生音で聴きながら、片倉さんのピアノ・タッチをモニター画面で眺めることもできた…繊細なタッチで奏でる片倉さんのソロには心が洗われる感じがした…SPACE1497のオーナーも若手のホープだと絶賛していたが、確かにその通りだと実感した。
佐藤さんともベランダの喫煙所で一緒になった…何気にお話させていただいたが、東京ジャズでロン・カーターのベースを聴いてから、ベースが好きになったと話すと、世界最高のベースから聞き始めたのかと言うので「自称チン・カーター」と話す鈴木良雄さんも大好きですと話した…そしてChinさんは、早稲田のジャズ研で会社にジャズ研同期の人がいて、親しくなりましたと伝えると、佐藤さんが、「私もも早稲田のジャズ研だった。」ということで一気に距離が縮んだ気がした…その佐藤さんのプロフィールをネットで調べてみたら、次のような記事が記載されていた。
佐藤“ハチ”恭彦(さとうハチやすひこ)
1968年11月26日に誕生。群馬県高崎市出身。一日中FMラジオから音楽が流れる家庭に育ち、五歳からのピアノを皮切りに、ギター、サックス等様々な楽器と音楽に親しむ。高崎高校在学中は、アルトサックス、ピアノ、エレクトリックベースと、三つの楽器を並行して演奏する。
早稲田大学入学を機に、ウッドベースを本格的に弾きはじめ、在学中よりプロとして活動する。'97年には、ダスコ・ゴイコビッチ(tp)のツアーに参加し二枚のCDを録音。その他、デビッド・マシューズ(pf)、エリック・アレキサンダー(ts)、クリス・ポッター(sax)らの海外ミュージシャンとも共演。
TOKU(flh、vo)のレギュラーバンドのベーシストとして約5年間活躍。
帰りがけに佐藤さんは高崎に住んでいるらしいと息子に話すと、「ピアノの片倉さんと結婚したらしいが、二人で高崎からきたのかなあ…」と呟いた。
奥平真吾さんのドラムは昨年の12月9日にここOur Delightでの増尾好秋トリオで聴いた事がある。その時は増尾さんのギターの音色に比べて少し叩き過ぎにも感じたが、今日は管楽器二本と競うが如く、見事なドラミングに思えた…特にドラムソロの迫力は満点で開場から大きな拍手と歓声が起こった…
奥平さんは、その激しいドラミングに比しおとなしい性格なのか、演奏が終わると早々に控室に入ってしまわれるので、中々ツーショット写真を撮れせてもらえなかったが、今日は、「Our Delightオリジナルのトートバック」にサインをもらうことができた…私にとっては、とてもラッキーなことであった。
ライブが終了して、またベランダの喫煙所で土岐さんにお会いした…古くからのジャズマンは、煙草の煙がもうもうとし酒場での演奏を懐かしむかのように煙草を吸われる方が多いような気がする。そんな土岐さんは、以前は場内での喫煙か禁煙かをプレイヤーが指定できたものですがねぇーと呟いていた…
今度は少しジャズの話が出来た。昔、熊谷にも来たことがあるそうだが、場所は定かではなかった…そこでSPACE1497にも是非おいで下さいとお願いし、それからトートバックにサインをお願いしたら快諾してくれた。
帰りがけに「あの土岐一族の末裔ですか」と尋ねてみると「そうですよ」と応えてニンマリと笑みを浮かべた…私の会社にも土岐さんという方がいましたと伝えると、何か話したそうであった…
マスターからオリジナルのトートバックを買い求め、演奏者全員のサインをもらった。
最後にサインしてくれた市原ひかりさんは漫画チックなサインをしながら、若い頃から始めたサインで幼稚ぽいが、今さら変えられなくなってしまったのと囁いた…
この成り行きを見ていたマスターはご機嫌で、写真をお願いしたら喜んで何枚もシャッターを切ってくれた…後で写真を見てみると背景にすっかり「Our Delight」のロゴ・マークを入れ込んでいたのには、流石に商売人だと感心させられた…
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