< Bossa Nova Concert 2017 >
熊谷文化創造館 さくらめいと「太陽のホール」に小野リサがやって来るというので出かけた。近年新しい道路が開通したので、会場の「さくらめいと」までは凡そ15分位の距離である。それでも駐車場の混雑が心配なので少し早めに出かけたが、既に多くのフアンが詰めかけ待合室の椅子で待っていた・・・
会場16:30頃までに、続々とフアンがやって来て開演の17時には、ほぼ満席となった。息子が手配してくれたチケットは、前から3列目ではあったが、あいにくステージの右端に近い所であった・・・
小野リサは、ブラジルのサンパウロに生まれ、10歳までブラジルで過ごし、15歳からギターを弾きながら歌い始めた・・・
1989年にデビューし、少しハスキーな甘い歌声とギター演奏で一気にボサノバを日本中に広めた。
私もどこかで彼女の歌声を聴いたことがあるような気がするが、そのお名前なでは記憶していなかった。
彼女の説明によると、あのビートルズの人気が出始めたころにブラジルでボサノバという音楽が演奏されるようになった比較的新しいジャンルであるようだ。
たった一人でベースの演奏が始まった。続いてドラムスが確かなリズムを刻み、それにフルートが加わり、ピアノでメロディーが奏でられた。
そして最後にギターを持った小野リサが登場し静かに歌い出した・・・その演奏曲は、5人で奏でる「テイクファイブ」というジャズのスタンダードナンバーだったのです・・・何と心憎い演出であろうか・・・私は、この一曲を聴いて、思わず「ベースとドラムのリズムが好いね!」と息子に囁いた。
続いての曲は、「キャラバン」というジャズのナンバーがボサノバ調にアレンジされていて、「キャラバン」だと聴きとるまで暫く時間がかかったが、楽しいスタートであった・・・
1stステージで8曲、2ndステージで8曲 いずれもどこかで聴いたことのあるスタンダードナンバーが殆どであり、とても心地よい時が流れた・・・
中でも小野リサだけがステージに残り、ギターを弾きながら歌った「黒いオルフェ」を聴いていたら、昔見た白黒映画のシーンが浮かんできた・・・ハスキーボイスでささやくような歌声から情熱的な歌声に変り観客を引き込んで行った・・・
この映画は1959年に公開され、同年の第12回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール、アカデミー賞では外国語映画賞を受賞した。
そして、彼女のメンバー紹介も楽しかった。最初は、ピアノの林正樹で、彼は籠原駅から歩いてやって来たと話した。それから、自分も10代の子育てに苦労している切り出し、同じ苦労をしているベースのクリス・シルバースタインを紹介した。彼はNYからやって来て32年になると言う。かなり流暢な日本語で受答えでユーモアを交えて話してくれた。
次は、フルートとサックスの奏者グスターボ・アナクレートである。彼はブラジルからやって来て5年目で、母親に会いに行った話を交えながら、暑いのは熊谷と同じだと片言でジョークを飛ばした・・・
最後のドラムスの斉藤良は、イタリアに友人もいて今年も新婚旅行に行くんですよと紹介した・・・どうも、何回目かの新婚旅行であるらしいことも付け加えて、会場の笑いを誘った・・・
こんなメンバー紹介で、一気にアット・ホームな雰囲気を造り上げてしまった・・・そしてアンコールの「いのちの歌」は、聴いてい居る人の心に染み入り、聴き終えてふーとため息をもらした・・・
今晩のコンサートに魅せられたフアンは、小野リサのCDを買い求め、サイン会には100人以上の列ができた。私も息子と列に並びサインをもらった。その時「親子で来ました。」と話しかけるとサインの手を止めて、息子と私の顔を見比べ「やっぱり似てますね。」と言った。私がタッチを求めるとペンを机に置いて、それに応えでくれた・・・その余韻を手に留めながら家路についた。
息子は車を運転しながら「今日のコンサートは、父の日のプレゼントだよ」と一言呟いた・・・
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