熊谷寺の花まつりに遭遇

-熊谷次郎直実が建立したお寺

 4月8日はお釈迦様の誕生日で、この日は花御堂に花を飾り、誕生仏に甘茶をかけて、お釈迦さまのご誕生をお祝します。4月19日に、たまた熊谷寺の「花まつり」に遭遇した。熊谷寺は篠原さんの「旧中山道紀行」の熊谷宿編にも登場しますが、宮沢賢治の歌碑がある八木橋デパートの裏手にあります。

 熊谷次郎直実は、源平合戦で平の敦盛を討ち果たしたが、あまりにも幼い若武者であったことを悔いて出家し、蓮生となり西方を向き馬に乗り東に下ったと言い伝えられている。そして熊谷の地に熊谷寺を建立したという。

 この熊谷寺は一般公開されておらず、普段は門を閉ざしたままであるが、たまたま八木橋デパートの2割引きセールにつられて出かけた帰りに「熊谷寺の花まつり」に遭遇したのである。

 これはめったにないチャンスなので、買い物袋を駐車場の車に押し込んで家族と熊谷寺の境内に入った。厳格なお寺のイメージであったが、「お念仏・詠唱の会」が開かれていて、本堂に入れてもらい「花まつりの会」に参加することとなった。熊谷寺は浄土宗でもあり、お念仏を唱える讃美歌のように譜面が印刷された資料とお土産をいただいて席に着いた。この歌の締めくくりは「南無阿弥陀仏」を10回唱えます。 

 「花まつり」でのご住職のご挨拶で印象に残ったのは、

① こうありたいという、「我」への執着が時に自分自身を苦しめることになってしまう。

② この執着を無くし、偏りの無い心で自分や周囲を見つめれば心に平穏が訪れる。

③ お釈迦さまは、この執着を「諦めよ」と説いている。

④ この教えは「この世はすべて諸行無常である」という悟りからきている。

⑤ 「諦めた」時、その時その時の一瞬の大切さや有難さに気付く。

 私たちを迷い・苦しみから解き放つ術をお説きになったお釈迦さまに感謝し、そして迷い・苦しみの一切無い世界を造られた阿弥陀様に甘茶をおかけして花まつりを楽しんでくださいと結ばれた。

<この写真は息子がスマホで撮ったものです>

 最後の写真の句碑は、小林一茶の俳句「陽炎やむつましげなるつかと塚」である。一茶も熊谷に来たことがあるらしい・・・