秋田から熊谷の送り盆へ 2018.8.14~15

 湯沢市皆瀬字二つ石(父の妹・叔母の家)
 湯沢市皆瀬字二つ石(父の妹・叔母の家)

明日は熊谷の送り盆をしなければと14日の朝に湯沢駅まで送ってもらった…実家から1キロ強の処「ミンサ」の叔母に家に立ち寄りお盆さまを拝ませてもらった…従姉のチエ姉も富山の兄と同年齢で80才を過ぎ足腰がめっきり弱って、家の中で椅子を押しながら移動していた…

甥が車で待っていたので、挨拶もそこそこに失礼してしまい、申し訳ないことをした…

 湯沢の七夕・絵灯籠(8.6~8.8)湯沢駅前
 湯沢の七夕・絵灯籠(8.6~8.8)湯沢駅前

甥の車で9時半頃には湯沢駅に送ってもらたった。駅前には8月5日から7日行われた湯沢の七夕祭りの絵灯籠のデスプレイが飾られていた…夏の朝日に照らされまばゆい絵灯籠であった…私が初めて湯沢の絵灯籠を見たのは、小学生の頃にバスで兄に連れてきてもらった…

多分湯沢高校在学中にも同じ絵灯籠を見ているはずだが、何故か兄と見たときの印象が強く心の中に残っているのは不思議でだ…

浴衣姿でそぞろ歩く下駄の音、暗闇の中から浮かびあがってくる艶っぽい美人画が思い出されるのは、かなりませた子供だったのであろうか…

 岩棚にひくくたなびく湯煙に

  おぼろに揺らぐ淡き想いの出

この淡き想い出の中学時代の友だち会おうと秋田行き9時45分の下り電車に乗った…

実は、数日前にお盆に秋田の田舎に帰るからランチを一緒にどうですかと電話したら、彼女の孫が夏休みで来ているらしいが、OKの返事をもらった…

緑溢れる懐かしい古里の景色を眺めながら、ぼんやりと中学時代のことなどを思い出していた…

電車も東京近郊と異なり、人混みの苛立ちもなく、ただただのんびりと1時間半ほどの時を過ごした…

 

  秋田駅(新幹線:こまちが見える)
  秋田駅(新幹線:こまちが見える)

田舎小学校では秋田市に来る機会はなく、殆どの人が小学校の修学旅行で初めて汽車に乗り秋田市にやって来た…魁新聞社を見学し輪転機を見たり、写真が点描であり伝送できることを知った…あと、秋田放送局、県会議事堂などを見学し、市内に一泊した…翌日、土崎港を見学したような気がするが定かではない…

  秋田駅の改札を出た処のコンコース
  秋田駅の改札を出た処のコンコース

果たして見つけられるかなあ…

バックを片手に切符を改札器に通して目をあげると数メートル先にいる彼女が目に飛び込んできた…

足早に近寄り手を振っていた彼女とハイタッチすると互いに安堵し、笑みを浮かべた…バックが邪魔だったのでロッカーに入れようとしたが、百円玉が1枚しかなく、三百円入れてもらった…返すのを忘れたかも…

 秋田駅コンコースからの下りエスカレータ
 秋田駅コンコースからの下りエスカレータ

お昼時だったので約束のランチに向かった…でも、私には秋田市は全く不案内だったので、彼女の後に続いた…コンコースからエスカレーターで広場に下り、西武デパートの化粧品売り場を通り貫けたところにレストランがあった…そこで冷パスタとハーフのフルコースというメニューを選んだ…私はビールを1本頼み、まずは互いが元気で会えたことに乾杯した…古稀祝いの時以来だったので、話すことは沢山あったはずなのに、いざ会ってみると話しが出てこないものだ…それでも、昔々小安峡のカラフケでデートした『おぼろに揺らぐ淡き想いの出』を覚えているかどうかを尋ねた…『えっ、そんなことあった?』などと言われたらどうしょうと思ったが、『ええ、おぼえてるわよ』と少し照れながら微笑んでくれたので、ほっとしてビールをグイット飲み干した…これで会いにきた甲斐があったと密かに思った…

オーダーしたお料理を小皿に取り分けて食べながら彼女の近況の話を聞いた…ビールを呑みながらの冷パスタは結構なボリュームで満腹になった…

ランチを終えて散歩しようと千秋公演に向かった…散歩には少し暑い日だった…

駅の近くに大手デパートが進出してきたせいなのでしょうか、子供の頃から名前だけは聞いていた秋田市の老舗デパート『木ノ内』は週3日だけ営業していると聞かされ、地方都市の趨勢を実感した…

千秋公園の久保田城のお堀には、蓮が生い茂り蓮の花が咲いているのが見えた…このお堀の先に小さな池があり、少し水は濁っていたが数匹の亀が浮き沈みしているのが見えた。

丁度、歩道が木陰になっていたので、暫く亀を眺めていた…

歩道を少し登ると大手門への階段が見えて来た…近ごろ坂道の上りが苦手になってきていたので、途中でへばったらカッコ悪いなあと思いつつ彼女に続いた…

彼女の足は、元気にシャンシャン登って行くので、私もそれにつられて歩みを進めたら難なく上ることができて、ほっとした…

この池を遠く見下ろす高台のベンチに腰を下ろして休んだ…

この春に白内障の手術を受けたと言っていたが、この池で泳いでいる緋鯉が見えるらしい…

緋鯉のいる場所を示して教えてくれたが、私には判別できなかった…

やはり目も大分衰えてきているようだ…

千秋公園は茨木から左遷させられた佐竹公の久保田城跡として知られているかなり大きな公園だ…

今回の散歩もほんの一部を歩いただけだと思うが、一休みしたベンチから立上り、高台から広場へと下りて行った…木陰に入ると涼しい風が、汗ばんだ肌に心地よかった…

広場に人々が集まっていたので、近づいてみると『秋田犬ふれあい処』だった…彼女も犬好きで直ぐ近づこうとすると係員に引き留められた。まず手を消毒するように言われた…

私も手を消毒して檻の中で眠っているワンチャンを撫でてみた…

フィギュスケートのザギトワ選手が『秋田犬を飼いたい』と言ったことから急に秋田犬の人気が高まった…ここでも観光に一役かっているようだ…

それから彼女が行きつけの珈琲専門店に行き珈琲ソオフトクリームを食べた…珈琲の香りのするソフトクリームは美味しかった…食べ終わると珈琲を挽いてもらっていたが、私にもお土産にと同じブレンドを求めてくれた…今朝もその珈琲の香りを楽しみながら頂いた…

そうこうしてる間に時計は回り夕刻近くになったので、大曲からの新幹線には間があったが、あまりご迷惑をかけてもと思い失礼することにした…会う前には、あれやこれやと思っていたのにあっという間のお別れで『ありがとう』と言い残し4時過ぎのローカル線に乗って大曲に向かった… 

  新幹線こまちの大曲駅ホーム
  新幹線こまちの大曲駅ホーム

大曲に着いたが指定の17時57分までには大分間があったので、1本早い新幹線に変更できないかと改札で訊いてみたが、今日は大混雑でとても無理とのことだった…そこで、お土産を買いに行きたいので荷物を預ける処はないかと尋ねると、改札の人が『私が見ててあげる。』と言ってくれたのでお願いした…この長閑なやりとりにほっこりした気持ちになりキヨスクへいって秋田土産のイブリガッコに味噌漬け、お菓子を買った。

そうそう、缶ビールと両関のワンカップにおつまみは忘れなかった…

ちゃんと見守ってくれた改札の人にお礼を言ってバックを受け取り改札を通ったが、これからが大変で、日の射し込むホームの待合室で1時間待つことになった…この四日間に出会った人のことなどをぽつりぽつり思い出しながら…

 

 義父が亡くなってから私がお守している
 義父が亡くなってから私がお守している

8月13日朝に迎え盆の写真を息子がラインで送ってた…今回は私が不在なので早めにお墓の掃除を済ませ、前日には仏壇の飾りつけも終え息子に迎え盆を頼んで帰省した…

出かける前に息子に火の点いた提灯を車で運ぶ方法を教えておいた。

それは提灯の柄に紐を結び、提灯がころがらないようにその紐を助手席の吊り手に結び着けるやり方だ…

お参りに親戚のお客さまが来るかも知れないので、お盆休みなのに家に籠り留守番を続けた為、ストレスがたまったらしい…午前中から車で妹の家に出かけていった…

それから妹と甥を連れて八木橋デパートへ行っていたようだ。そして午後3時頃に一緒に戻って来たので、送り盆に行くことにした…

おじいちゃん、おばあちゅんも曾孫にお参りしてもらって、喜んでいることでしょう…おばあちゃんにはあと1年長生きしてくれれば、曾孫を抱いてもらえたのと思うと残念である。こうして今年もお盆さまをお送りできたが、私が帰省したため、慌ただしいお盆になってしまった…

久々ぶりの古里への帰省だったし、そう度々の帰省も叶うまいと思い、ついつい長々と書き綴ってしまったが、ここでお盆紀行も幕を閉じます。

おしまい