青羊 『めたもるシティ』CD発表 2017.7.19

<青羊 めたもるシティ ジャケット>
<青羊 めたもるシティ ジャケット>

 9月の松島の同期会で鈴木さんから御令嬢・青羊の新しいアルバムを紹介してもらった・・・私がジャズ好きなのを知ってのこでしょう。

 最初のアルバムは2013年9月18日発売の『LE KEMONO INTOXIQUE(ル・ケモノ・アントクシーク)』であった。あの時同期で応援団を作ろうなどと騒いだのに何もできず今日になってしまったことを反省している。でも、あれから4年経ちどのように進化したのか楽しみなアルバムである。

   <ジャケットの耳の謎>
   <ジャケットの耳の謎>

 このCDの美しいアニメを見て、最初はピーンと張った耳は狐かと思った・・・

無論メガネの娘は青羊さんご自身がモチーフだとすれば、もっと優しい『けもの』の耳だろうなどと思案していた・・・Webを検索していたら、この写真を見つけた。そうか愛犬の黒柴のお耳だったのかと納得した・・・

 この写真は、我が家で17年も一緒に暮らした黒柴”ラム”を思い出せてくれた。

<青羊とプロデューサー菊地成孔氏>
<青羊とプロデューサー菊地成孔氏>

 今度のアルバムもジャズをはじめ、幅広い分野で活動されている菊地成孔氏が、プロデュースされていたので、Webで検索してみた。そのプロフィールによると『東京ジャズシーンのミュージシャン(サキソフォン/ヴォーカル/ピアノ/キーボード/CD-J)として活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、極度にジャンル越境的な活動を展開・・・』とあった。

 そうか、このCDはジャズにこだわらない領域も指向して作られているのかと、また聴き直してみた・・・するとそのテーストは、少し違ったものに感じられた。

  <青羊のジャズに対する想い>
  <青羊のジャズに対する想い>

 それでは青羊さんのジャズに対するコンセプトは何処にあるのかと思い始め、彼女のインタビュー記事を探し当てた。

 その問答の一部に『途中で「けもの」をやりたくなったきっかけがあるんです。吉祥寺の「サムタイム」でライブを見ていた時に突然メロディーと歌詞が頭のなかに流れてきたんですね。歌詞に「けもの」という言葉が出てくる「けものZ」(1stミニアルバムに収録)という曲だったんですけど、その曲ができた時に「けもの」というバンドをやってみたいと思ったんです。

 それと、今までジャズのセッションが多かったので、カチッとしたバンドに対する憧れもありました。他には、今の忙しい世の中、例えば満員電車なんかではある程度感覚をシャットダウンして我慢していないとやっていけないと思うんですね。私はそういうのがおかしいなと思っていて。皆んなが本来持っている感覚を開かせたいというか開いたほうがいいんじゃないかなという気持ちと「けもの」という言葉がちょうどクロスしました。』と青羊さんを突き動かした動機が、飾らない言葉で素直に語られていた・・・ 

  <青羊とアルバム演奏者>
  <青羊とアルバム演奏者>

 その『けもの』が、今回のCDを作成された主要メンバーのようである。やはり青羊さんと同じようにジャズという音楽を通して、何かを語り掛けたい気持ちを抑えきれない同志なのでしょうね・・・

 ただ、これは私がWebに公開されている青羊さんの関連写真を眺めながら、勝手に想像している話なので、違っていたら陳謝!

<アルバム制作に関わった仲間?>
<アルバム制作に関わった仲間?>

 しかしながら、CDに収録するとなると、プレイヤーだけでは成し得ない・・・

 おそらく、この写真にあるように多くのメンバーがそれぞれのパートを分担し、それを完璧にしかも同時に完遂する必要があるだろうと思う・・・

 その成果物であるCDの完成を祝って色紙にサインされた写真も掲載されていた。 

<けもの「めたもるシティ」収録曲>

01. オレンジのライト、夜のドライブ

02. 第六感コンピューター

03. PEACH

04. C.S.C.

05. Fish京子ちゃんのテーマB めたもVer.

06. めたもるセブン

07. tO→Kio(トーキオ)

               08. 伊勢丹中心世界

               09. River

               10. Someone That Loves You

               11. 第六感コンピューター カラオケVer. 

   <青羊 1st アルバム>
   <青羊 1st アルバム>

 最初のアルバムに出会った時、私は木の匂いとか土の匂いのよな純朴さを感じながら聴いた・・・今度のアルバムでは、どこかあか抜けた、都会的な洗練された気分を味わせてもらった。

 そこでアルバムのタイトル『めたもるシティ』の意図を調べてみたくなった・・・

『メタモルフォーゼ』の定義は、『生物学でいう変態の意。変身の意。』とあった・・・ 

 そうか、1stアルバムから4年経ち、何らかの進化を遂げた『青羊』をこのアルバムで表現したかったのかと、その意図が理解できたような気がした・・・

 <青羊さんのスナップ>
 <青羊さんのスナップ>

 では、それがどんな形で言い表されているのかと思い、丹念に歌詞を読んでみたが、70代の私には少し難しかった。歌詞の行間の飛躍的な展開に追従して行くだけの柔軟性は、最早私には残されていないようだ・・・

 新鮮な感覚を受け止める感受性の動脈硬化だ!

この現象は、同世代の方々にも起こっているかも知れないと思いつつ、寂しさがこみ上げてきた・・・       何か新しい発見や空想の世界に遊ぶ時のときめき感は薄れ、これまで体験して来た現実の世界に封じ込めようとする自分に対して、そう感じていた。

 反省しきりの私でも『伊勢丹中心世界』のメトロな雰囲気を醸し出す曲に懐かしく聴きいった。そして『River』の世の刹那を語りかけて来る青羊さんの歌声に心を惹かれた・・・

 また、『フィッシュ京子ちゃんのテーマB』のめたもVer.では、フィッシュ京子ちゃんの子供も『お子様ランチから、わさびの効いた寿司を食べるようになった』ことを知り、微笑ましくもあり、安堵感を覚えた・・・

  <青羊さんのメタモルフォーゼ?>
  <青羊さんのメタモルフォーゼ?>

 このブログを書こうと、歌詞カードを手に横になりなりながらCDを聴いた。ところが、いつの間にか心地よくなり寝入ってしまった・・・二度も三度も!

 この『めたもシティ』CDから発信される”α波”が、心をほぐしてくれるのでしょう・・・みなさんにもお試しいただきたいですね。